作って楽しい!食べて美味しい!国営備北丘陵公園で「そば打ち体験」に挑戦
日本ならではの食といえば、外せないのが“そば”!夏はざるで、冬はかけで……と、一年通して親しまれています。庄原市にある国営備北丘陵公園では、そば打ち体験ができるのをご存じですか?今回は、松本百加(まつもと・ももか)さんと、池淵彰悟(いけぶち・しょうご)さんがそば打ちに初挑戦!工程や魅力をレポートします。
水回しから切りまで自分たちで作るから楽しい&美味しい!
体験する場所は、国営備北丘陵公園・ひばの里エリアにある「上の農家」。中入口から入るとスムーズにつけますよ。
左:松本百加さん / 右:池淵彰悟さん
上の農家で受け付けと支払いをし、手を洗って準備をしたら、いよいよ体験スタート!
工程は主に7つ!すべて講師が教えてくれるから初心者や子どもでも◎
ここで作るのは、そば粉8に対して小麦粉2を混ぜた“ニ八そば”。そば粉は庄原市一木町産のものを使用します。7つの工程からなる、ここでしか体験できないレシピとなっています。
1.水まわし
2.ねり・くくり
3.丸出し
4.四つだし
5.仕上げのし
6.たたみ
7.切り
最後の茹でる作業は、講師にお任せ。それ以外は自分たちの手で作っていきます。体験する人の多くがファミリーということもあり、小さな子どもでも楽しめるようサポート体制が整っているのが魅力です。
1.水まわし
最初の工程は、“水まわし”。そば粉に水を入れ、全体にまんべんなく水が行きわたるよう指を立てて混ぜていきます。水を入れる回数は施設によってさまざまですが、上の農家では、2回に分けて入れていきます。
水まわしの段階では、そば粉はまだパラパラしています。混ざっていくにつれ、そば独特の良い香りがしてきました。池淵さんいわく、「なかなか水が均等にならなくて難しかった」とのこと。
それでも大丈夫!熟練の講師がサポートしてくれるので、最後はきちんと形になりました。
2.ねりとくくり
全体に水が回ったら、今度は練っていきます。丸めた生地を織り込むように上から押さえて潰し、また織り込んで潰して……。生地はやわらかくとも力のいる作業です。
交代しながら何度もしっかり練っていきます。二人とも頑張れ~~!!
くくりの作業は、講師にお任せ。“おへそ”を作るイメージで生地をつまみ出しながら整えます。肉まんのようなフォルムから円柱になっていきました。
3.丸だし
円柱になった生地を潰し、回しながら内から外へ手で伸ばして丸く広げていきます。
ある程度広がったら、今度はめん棒を使ってさらに伸ばします。簡単そうに見える作業ですが、めん棒の持ち方や力の入れ具合が難しく、力が入りすぎるとヒビが入ってしまう繊細な作業。二人とも真剣なまなざしで集中していました。
4.四つだし
伸ばした丸い状態の生地を、四角にしていく作業“四つだし”をしていきます。角を出すように伸ばすことから“角だし”とも呼ばれているそうです。めん棒に生地を巻き、奥へころころ。手前にスッと引き寄せるときに力を込め、生地を伸ばしていきます。
5.仕上げのし
続いて、でこぼこした生地を平らにする作業“仕上げのし”をしていきます。めん棒を細かく生地に当て、最後の調整!めん棒の置き方や力の入れ方のコツを教えてもらいながら、少しずつ表面を整え、キレイな形にしていきますよ。最後には、うす〜い一枚の生地になりました。
6.たたみ
伸ばした生地を切りやすくたたんでいきます。2回折りたたみ、細長い形になりました。
7.切り
いよいよ最後の工程、“切り”に入っていきます。まずは包丁の持ち方からレクチャー。指を引っかける窪みがついた包丁を使って切っていきます。
均等な細さになるように……。歪まないように……。気をつけているものの、切る作業は難しい!「包丁の使い方も力の入れ方も普段とは違い、難しかった〜」と松本さん。茹でるときに水分を含んで太くなるので、なるべく細く切っておくのがポイントです。
いびつな麺も太い麺も……自分たちで切るからこその良さ。どの麺も愛おしく思えてきます。
「切り終わった~!」自分たちで作り切ったという達成感が味わえました。今から食べられると考えると……わくわくしてきます!
なお、小さなお子さんの体験では、包丁を使う作業のみ保護者にお願いしています。
かまどで茹でた出来立てそばをいただきます!
作ったそばは持ち帰りをしておらず、その場でいただきます。夏はざる、冬はかけと、季節に合わせて食べ方が変わるとのこと。そばを茹でるのは、かまどです。薪をくべてお湯を沸かすという昔ながらの作り方で、初めて見る子どもたちは釘付けになるそう。
茹でる作業は講師にお任せ!あとは出来上がりを待つだけです。
茹で上がったそばを見た瞬間、二人のテンションが一気に上がります……!
昭和初期をイメージした空間でいただきます。
靴を脱いで座敷に上がり、出来立てのそばをいただきます。「良い香り~」「美味しそう~」と、笑みがこぼれる二人。
かけそばには漬物が添えられており、時期によってはひばの里で採れた果物のおもてなしも。取材日は柿が添えられていましたよ。この日のお茶は「はぶそう茶」。程よい渋さと香ばしさがあり、「お茶が美味しい!」と松本さんも気に入ったようです
基本の漬物は、きゅうりの粕漬け。5年以上もの時間をかけしっかりと漬かったきゅうりは、お酒が抜けて風味が豊かになっていました。季節によって瓜や大根など変わることも。
肝心のおそばはと言うと……。コシが残ったしっかりした食感で、ずるずるとすすって食べやすい喉越しの良さ!そばの香りもあり、手作りだからそこの温かさを感じる一杯に。
「ちょっと太い麺がある……(笑)」という会話に笑顔が咲きます。
なんと、そばつゆもここオリジナルのもの。ベースとなる出汁に昆布や調味料を入れて調整して作られています。夏のざるそばのつゆも自家製なので、美味しいこと間違いなし!
「そばが美味しいのはもちろんだけど、そばつゆが美味しすぎてびっくり!」
二人とも想像以上の美味しさに、ペロリ。池淵さんはそばつゆまで完食です!
昭和初期をイメージして作られた建物は、懐かしさを感じさせる空間。
「夏は暑く冬は寒い。けど、その不便さを楽しんでもらえるような体験ができるんです」と、そば打ち体験の担当者、藤原さんは話してくれました。
今回体験したそば打ちのほかにも、こんにゃく作りやおこわ作りなどの体験を定期的に行っています。二人とも「楽しかったからほかの体験もしてみたい!」と、大満足の体験となりました。
今回は大人だけの体験だったため、そば打ちから食事まで約60分で完了!あっという間に終わりました。子どもがいる場合は90分くらいかかることが多いそうですよ。
休日は直接受付・平日は予約のみ!早めの行動がおすすめ
休日は、そば打ち以外の体験も行っているため、そば打ち体験は月に数回の開催となっています。開催日はイベントカレンダーにて更新されるので、チェックしてくださいね。休日の事前予約は行っておらず、当日の現地受付のみ。開園後すぐに枠が埋まってしまうこともあるので、早めに受け付けをすませておくのがおすすめです。そば打ち体験で作る量は、五人前と七人前のみ。二人で体験しても五人前の料金がかかるため、ご注意ください。
【そば打ち体験料金(税込)】
五人前:1,800円
七人前:2,500円
※支払いは現金のみ
なお、平日は事前予約制。備北公園管理センター(TEL:0824-72-7000)にお問い合わせください。
国営備北丘陵公園内そば打ち体験の基本情報
住所:庄原市三日市町4-10 国営備北丘陵公園内ひばの里 上の農家
お問い合わせ:0824-72-7000
開催日:休日イベントカレンダーに準ずる(平日は事前予約制)
受付時間:休日は開園時間から定員になり次第締め切り/平日は要相談
料金:五人前 1,800円 / 七人前 2,500円(税込)
※入園料や駐車料は別途必要
公式HP:https://www.bihokupark.jp/