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民泊体験

一期一会。出会いの芽は、いつか芽吹く時が来るはず。

初めて見る風景、初めて知る農業、そして初めて触れ合う人たち。民泊は都会では味わえない非日常を知るだけでなく、大きな出会いの場でもあります。都会に帰った後、そして大人になって庄原の思い出を語る時、心の奥に『何か』が根付いているはずです。

【到着】バスが到着。町をあげての大歓迎に生徒たちも感激!

どんな町、どんな人たちだろう。ドキドキの対面。

広島県に修学旅行で訪れたのは東京都心の高校に通う生徒たち。宮島などの観光を終え、民泊のために庄原市比和地区にやってきました。「ようこそ! 庄原市へ」と横断幕を掲げた受け入れ家族の大歓迎を受け、一行は庄原市立比和自然博物館に到着です。この日、比和・高野町に民泊する生徒は約60名。一つの家庭に対して3~5人に分かれて生活体験と宿泊をし、庄原市比和地区で2日間で過ごします。

【入村式】お世話になる家族に「よろしくお願いします」

受け入れ家族と生徒の対面の場。それぞれの家庭へ出発。

受け入れの家族は事前に様々な準備をします。どの家も共通する思いは「東京の高校生は、庄原で何を楽しんでくれるだろう」「どんな子達だろう」「東京の話をたくさん聞きたい」ということ。あるトマト農家は子ども達とのトマトの収穫を計画。またある家庭は趣味の蕎麦打ちやしめ縄作りを生徒達と一緒に楽しもうと用意していました。入村式に集まった家族は少し緊張し、それでもワクワクしながらバスを迎えました。
入村式を行う会場は比和の自然が感じられる博物館のホール。ステージの緞帳にも吾妻山の豊かな自然の景色が広がっています。挨拶をしたのは受け入れ家族代表のOさん。「東京に住むみなさんにとって、この民泊がなければ庄原市比和地区に来ることはないと思います。『一期一会』という言葉があるように、将来みなさんがここで過ごしたことが大切な思い出になり、自分にとって大切な場所の一つになってもらえれば幸いです」と話しました。
続いて生徒代表から「田舎暮らしを経験したことのない生徒ばかりです。楽しみにしています」と話し、全員で「よろしくお願いします」と挨拶をしました。続いて受け入れ家族と生徒たちの引き合わせが行われ、いよいよ民泊がスタート。各家庭に向かって出発です。

【田舎体験】農業、蕎麦打ち、家族の一員となって。

トマトの収穫 渡邊家

感激! 摘みたてのトマトってこんなにおいしい!

トマト農家のWさんの家にお世話になるのは3人の女子。荷物を置くと早速家の横にあるハウスに向かいました。小さなトマトは“アンデレ”、大きいものは“レイカ”という品種。「ガクのところをぐるっとねじったら簡単に取れるよ」とお母さんにアドバイスしてもらいチャレンジです。「しっかり赤くなっとるのを取ってね」「これはいいですか?」「うん、ええよ。一つ食べてみんさい」「いいんですか? わっ!おいしい」「でしょう? ありがとう」。そんな会話を弾ませながら収穫を進めます。Wさんの家には全部で14棟のハウスがあり、トマト以外にもホウレンソウなどを栽培。3人はその広さに驚いていました。

そば打ち 松島家

自分たちで打った蕎麦。野菜ってこんなにうまかった

今回初めて民泊を受け入れたというMさんのお宅では、3人の男子が蕎麦打ちを経験させてもらうことに。蕎麦打ちを趣味にしているご主人が、蕎麦生地を事前に準備してくださっていました。のし棒で蕎麦を伸ばして畳み、専用の包丁で均等に切っていくご主人の手元を、生徒たちは興味津々で覗き込みます。「やってみる?」とご主人が1人の生徒に包丁を渡します。ご主人のようにリズミカルに均一に切ることは難しそうですが、なんとか切り終えました。「民泊をするなら蕎麦打ちを経験したいと思っていたんですが、夢が叶いました!」と生徒は嬉しそう。隣のキッチンでは奥さんが大鍋の用意。どうやらこの後の夕飯で食べさせてくれるようです。

ホウレンソウの収穫 松岡家

初めての鎌、初めての収穫。野菜ってこんなにうまかった

同じく初めて民泊の受け入れをしたMさんは、自宅近くのハウスでホウレンソウを栽培しておられます。ハウスの横には川が流れ、せせらぎや鳥の鳴き声が聞こえてくる素敵な場所です。今回お世話になるのは男子生徒3人。ハウスに案内され、いきなり鎌を渡された3人はびっくり。「鎌を持ったのは初めて」と戸惑いながらもワクワクしているようです。畑にしゃがみホウレンソウの根元に鎌を水平に入れて、次々に収穫します。このハウスで栽培しているのはチヂミホウレンソウで、寒い冬にだけ収穫できる甘みのある品種。収穫したホウレンソウを集め、根元の汚れを取りビニール袋に入れる量ごとに小分けにします。
畑の片隅で仕分け作業をしながら生徒たちはご主人と他愛のない世間話をしています。「ハウスの中で時々モグラがワルサをしてね。モグラはホウレンソウを根こそぎ食べるんよ」「えー! モグラ⁉︎」「モグラって、見たことないです」と楽しそう。
ご主人は収穫したホウレンソウの一部を持ち帰りました。収穫したばかりのホウレンソウを湯がいてくれるようです。大きな鍋に入れたホウレンソウが綺麗な緑色になったところで素早くあげて、しっかり水気を切り器に盛ります。「食べてごらん」。3人は「やったー!」「食いたかったんっすよ」と大喜び。ほんのすこし醤油を垂らしただけで抜群の甘みです。「うっま!」とひと抱えあったホウレンソウはあっという間に3人の胃袋に消えました。

【民泊】この日は家族の一員に。賑やかな食卓に会話が弾む

みんなで力を合わせ。男子生徒も夕食の準備

Sさんの家では4人の男子生徒がお世話になります。しめ縄作りを終え、みんなで夕食の準備です。メニューは手巻き寿司、豚汁、トマトのサラダ。全員で準備をします。奥さんはみんなから「せっちゃん」と呼ばれ早々に意気投合。「ハイ、じゃ次はこれ切ってね」「それが終わったらこれを洗っといて」とせっちゃんは手際よく指示を出します。「せっちゃん、醤油どこにあるんじゃ」と男子の1人が覚えたばかりの広島弁でみんなを笑わせ、キッチンはとても賑やかです。「本当にみんないい子。笑顔がいいね」と、せっちゃんも生徒たちと同じ笑顔を見せています。

夕食の準備が整ったところで主人も加わり全員で食事です。「顔と名前を覚えたいから」とせっちゃんのアイデアでテーブルには生徒一人一人の名前が入ったランチョンマットが用意されていました。裏の畑で収穫したアスパラ、ピーマン、シソの葉お天ぷらも食卓に。生徒たちは「全部うまい!」「祖父母もマンション住まい。だからこういう田舎の家に来たのは初めて」「さっき見た夕日がすごく綺麗でしたよ!」と会話が弾んでいました。「いつもは夫婦2人の生活。こんな賑やかな夕食は久しぶり」とご夫婦も楽しそうです。夕食の後片付けは生徒たちが手際よく進めていました。

勉強や部活で多忙な毎日。だから今日はゆっくりと

Sさん宅には4人の女子が夕食の準備を進めていました。Sさんの家は築130年の古民家。キッチンやリビングは最近の仕様にリフォームしていますが、家には重厚感が漂っています。4人は味噌汁作りの真っ最中。奥さんと一緒に味見をして「うん!おいしいね!」「じゃ、食べようか」とテキパキ準備を進めています。
 4人の通う高校は進学校。「部活を終えて3時間勉強すると後は寝るだけ。家の手伝いができないんです」とこうしてゆっくりキッチンに立つことは滅多にないと話します。
 食後はご主人の運転する車に乗って星空観測の予定。「途中でタヌキや鹿が見られるかもしれんよ」とご主人が話すと「ナイトサファリ!?」と大はしゃぎの4人でした。

忘れたくない空いっぱいの星、掘りごたつの温もり

Oさんの家では夕食を終え、男子5人で寝具の準備をしていました。Oさんの家は100歳になるおばあちゃんを筆頭にした大家族。昔ながらの日本家屋で和室には掘りごたつがあります。「昔はね、ここに炭火を入れて火傷せんように、そうっと足を入れてぬくもりよったんよ」とご主人が説明すると、生徒たちは珍しそうに覗き込んでいました。全員の頭がくっつくように工夫して寝具を敷き終えた頃、窓の外には満天の星。天の川が広がっていました。

庄原の美しい朝。朝もやと静寂と、おいしい朝食

朝6時、起床の時間です。着替えと洗顔を済ませた4人はせっちゃんの呼びかけで庭に出ます。せっちゃんは玄関前の田んぼに広がる朝もやを生徒たちに見せたかったのです。「うぉー、きれい!」。寝ぼけ目の4人はこの美しい農村の景色でしっかり目を覚ましたよう。そして全員でラジオ体操。こうして体もしっかり目を覚ます。

キッチンではご主人が1年かけて作った新米が炊き上がっていました。炊飯器のフタを開けると炊きたてのいい香りが立ち込め、思わず拍手が起こります。1人は仏壇に供えるためのお鉢を用意。1人は畑に行って味噌汁に入れるネギの収穫。残りのメンバーで卵焼き、サラダなどを作ります。「いつもはギリギリまで寝てるから、こんなにおいしい朝ごはんを食べられて、ホントに嬉しい」。生徒の1人がそう話すと全員頷いていました。
 そろそろお別れの時間が迫って来ました。

【離村式】寝食を共にして、心の中に何かが芽生えた

「また会えるよね!?」寂しさと感謝の思い出いっぱい。

「普段は夜更かしばかりしているから、1泊2日の庄原のおかげで元気になれた気がします。」「鳥の声、どこに行っても聞こえる川の音、夕日、星空。全てが思い出です。都会ではできない一生の思い出です」「綺麗なものを見ていると、心も綺麗になった気がします」。と生徒たちがせっちゃんに感謝の言葉を伝えます。1人が「できれば来年も来たいです」と話すとみんなが「ホントホント」と少ししんみりして笑っていました。

そして離村式の会場に到着です。つい数時間前に行った入村式では、受け入れる家族も生徒たちも緊張の面持ちでした。それが離村式会場に集まった時には全員がすっかりリラックスした顔に。見送りに来た受け入れか家族は、まるで娘や息子を見るような優しい眼差しで生徒たちを見つめています。お別れを前にした少し寂しい空気も流れています。

「都会とは対照的な比和の町はいかがでしたか。一期一会。一生に一度。この体験を今後に生かしてくださいね」と受け入れ家族のWさんの挨拶。続いて生徒代表が360度広がる自然、夕日、星空。一生忘れません。またいつかお会いできることを期待したいです」と感謝を述べました。バスの待つ駐車場では家族ごとに分かれてお礼を言い合い、握手をいて別れを惜しむ姿が。
 「最初はよそのお子さんを家に入れることに抵抗があったのが本音。でも受け入れてみるとkが付いたら僕たちの方が楽しんでいました。別れは涙が出ますね」と女子4人を受け入れたSさんのご主人。全員がバスに向かって大きく手を降っていました。

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