2024年オープン
地域のため
未来のための本屋
ほなび
明治創業で、生活雑貨や嗜好品をそろえる“よろず屋”として始まった、神石高原町の「総商さとう」。その後、本やCDに特化して開業した2号店が、庄原市東城町にある「ウィー東城店」です。開店当初から経営が芳しくなかったこちらの店を、“よろず屋”“御用聞き”という姿勢で複合型書店化を進め、見事にV字回復させたのが四代目代表取締役である佐藤友則(さとう とものり)さん。全国各地で書店が次々と消えていく中、佐藤さんの手腕は広く知れ渡り、今でもウィー東城店には数多くの同業者が視察に訪れるほどです。
2023年には、庄原地域にあった2軒の書店が相次いで閉業。地域住民からは「町に本屋を」「このままじゃいけない」という声があふれました。それらの声を受け、佐藤さんが総商さとうの3号店として2024年に開業させたのが、書店「ほなび」です。ここは言わば、“地域のため”“未来のため”にスタートした、皆の希望が詰まった本屋なのです。



店内は、児童書、学習書、趣味の雑誌や漫画、小説など、一般的な書店と同様の品揃え。近隣に学校が複数あるため、学生が必要とする文具も取り扱っています。注目は「話題書」のコーナー。県北地域出身の作家の作品や、地元に由来する一冊など、地域に関連する本をずらりと並べています。時には作家自身が来店して、サイン会やミニ講演会を行う場合もあるので、本好きの人はぜひチェックしてみてください。
また、厳選した食品雑貨もいくつかあり、暮らしを豊かにする品をラインアップ。イチオシは、「ほなび」店長の父親が経営するお好み焼店のオリジナルソース「NIKUTAMA SAUCE」。濃厚な味わいのソースと、さっぱり味の塩ダレの2種類があり、これだけを買いに来るお客もいるそうです。
同店では、「未来ある子どもたちに言葉の贈り物をしたい」と、「本、贈り」プロジェクトを展開中(2025年9月取材時)。申込用紙に必要事項を記入して、おすすめの一冊のレビューと共に寄付を行います。集まったレビューを参考にして「これ、読みたい」と思った町の子どもたち(対象は高校生以下)が、プロジェクトに申し込み。寄付金で指定本を購入し、後日開かれる贈呈式にて「本、贈り」をするという流れです。「自分が子どもの頃に大切に思っていた宝物のような一冊を、ぜひ次代の子どもたちに読み継いでほしい」と、同プロジェクトは大きな賛同を呼び、広がりを見せています。今後も継続していく計画なので、協力したい場合は、店に問い合わせてみましょう。
ほなびが位置するのは、クリニックや薬局、住宅メーカーが並ぶ複合商業施設「こども未来広場」の一角。30~40台駐車できる広い共用パーキングもあり、訪れやすい立地です。地域になくてはならない店として誕生した、温かさ感じる人情本屋にぜひ足を運んでみてください。
SUMMARY
Instagram @honyanohonabi
DATA
- 電話
- 0824-73-9366
- 住所
- 庄原市西本町2-12-10
- 駐車場
- 有り (共用駐車場)
- 定休日
- 火曜
- 営業時間
- 9:30~19:00