庄原フードツーリズム

青才りんご園シードル

「高野りんご」を新しい世界に導いた!
飲み比べる楽しみもある4種のシードル

シードルは、「りんごを原料したスパークリングワイン」と説明したら分かりやすいでしょうか。
甘いというイメージがあるかもしれませんが、辛口もあります。
私たち加工組合のメンバーそれぞれが栽培をした高野町のりんごだけで作っているシードルには、甘口、辛口、ロゼ、そして「若摘み」という4種のシードルがあり、それぞれ違った味わいが楽しめます。原料がりんごなので、野菜料理とのペアリングがおすすめ。
まさに庄原料理に合わせたい発泡酒です。栓を抜いた瞬間、ビン底からとてもたくさんの小さな泡がシュワシュワッ―!と勢いよく、そしてやわらかな心地よい音をまといシードルの香りとともに浮かびあがってきます。見ているだけでとても幸せ!

庄原市高野町といえばりんご、というイメージはありますか? 
高野町には「農事組合法人高野りんご加工組合」があり、「青才りんご園」をはじめとする現在13軒のりんご農園が加盟しています。共同の加工場で収穫時期に作るジュース「たかのりんご」は、主に広島県内で販売されていて30年来の大人気商品です。

りんご自体も地元の道の駅や商店、庄原市・三次市のスーパー以外では、広島県内に出回ることは、ほとんどありません。
全体の生産量が限られているということもありますが、それぞれの農園に長年のファンがいて、直接買いに来られたり、贈答用に注文されたり、りんご狩りをご家族や友人とともに楽しんだりしています。贈答用に向かないりんごが主に加工用になりますが、いずれも完熟したりんごによるジュースやアップルパイなど、どれも人気商品。
筆者はもう、「高野町産りんご使用」とあるのを確認できたらすぐに購入することにしています。その年に売り切れてしまったら、また来年を待たなくてはならいからです。

そんな希少性は、シードルも同じ。お酒は加工組合で造ることができないので、福山市にある福山わいん工房にお願いしています。

甘口と辛口の違いは、主に発酵期間。甘口は、発酵期間が短いので、果汁感が残り、りんごの甘みや香りも強く感じます。アルコール度数は2%と若干低めで程よいアルコール感が魅力ですが、ビン内では酵母がまだ活動中なので甘口は要冷蔵です。

一方の辛口は、果汁や繊維質などのビン底に沈殿する澱(おり)がほとんどなく、透明感があります。長期発酵だとややアルコール度数が上がり、8%となっています。

ロゼは、原料のりんごの品種が違います。果肉の赤いりんごを使うことで、ロゼ色を目指しました。

実際は、思ったほど色がでなかったそうですが…… 
でも違った品種が入ると、味わいはガラリと変わります。ロゼのアルコール度数は3%で、甘口より少し高めです。

厳密に言うと、同じ品種でもその年の気候で、特に秋の気温の昼夜の寒暖差や日照量によってりんご自体の糖度や酸度、そして着色も違うので、どのタイプのシードルも毎年微妙に味わいが変わります。でもそれが果実酒の楽しみなところです。

「若摘み」は、2021年に誕生したばかりの新参者です。
高野町のりんごを代表する品種は「ゴールデンデリシャス」。この地でりんごの栽培が始まった時から現在も根強いファンを持っています。通常6月から8月頃に摘果作業や袋掛けをします。この摘果で切り落とした若い果実の果汁を、完熟した「ふじ」の果汁とブレンドして作ったのが「若摘みシードル」です。摘果したりんごを使うなら、簡単だろうと思われるかもしれませんが、実はその方が大変です。

摘果果実を食用に使うなら、出荷するりんごと同じように農薬が残留しないよう栽培方法において、より安全に配慮する必要があるからです。さらに、完熟した果実を収穫する作業と同様に、りんごに傷がつかないよう、1個1個を丁寧に収穫します。そしてふじの収穫時期まで半年近くの間、冷蔵庫内で大切に保管をして、ブレンド・醸造されるその時をゆっくりと待ちます。摘果果実とブレンドすることでフジだけで造られるものより、味がしまって“キリッ”とライトなシードルになるのではというアイデアから、生まれました。
また、受粉をして育つ小さな果物としての命を大切に思い、少量だけでも何らかの方法で活用できれば、実を結んだことに対して報いることができるのでは、とも思ったそうです。

「これだけの手間を掛けても、この地域のためにやる意味は大きい」という青才さん。

高野りんごは贈答用や自家用での販売はもちろん、お菓子屋さんや最近は小さな醸造所からの加工用の材料としての引き合いも増え、その年に収穫されたりんごはすべて新鮮なうちの、秋から冬の間に売り切れます。

生産者として、自分が作ったものがすべて売れて、無駄にならずに済むというのはとてもうれしいことです。

「私たちの高野りんごをアピールするための方法として、りんごの楽しみ方が他にももっとたくさんあると思う! 今後も探していけたら良いとなぁ。」と、語ってくださいました。

「地元の人には、シードルになじみが薄いんだ。でも新しいお酒に関心をもっと寄せて欲しいなぁ。」本当は地元の人が一番、応援してくれていることを知っている青才さんだから、そんな言葉になんだか、温かい気持ちになりました。

店舗情報

店名 青才りんご園シードル
(高野りんご加工組合)
住所 広島県庄原市高野町下門田甲195
URL https://tinyurl.com/yckbjskv
未成年の飲酒は、法律で禁じられています。